ひええ

美術館を手玉にとった男のひええのネタバレレビュー・内容・結末

美術館を手玉にとった男(2014年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

手先は器用なのに、人間関係に関しては不器用。(病名は忘れてしまったけれど。)贋作を作って寄付し社会貢献することでやっと社会と繋がれる。オリジナルは作らない。ランディスは贋作の製作が「自分が唯一できること」だと言う。
彼を追う元美術館職員のレイニンガーをはじめ、誰も悪意のある人間が出てこない。ランディスの展覧会で対面した2人の緊張した様子が、なんだか可愛らしく思われた。
ドキュメンタリーであるゆえの絶妙な、なんて言えばいいのかわからない良さが漂う映画である。
ネクタイや、赤いキャデラックなんかがいちいち素敵。拡張高そうな古い家具や、カタログが乱雑に積まれた中に、ポンとモダンな赤い椅子が置いてあるのが粋だった。
今度は寄付ではなく、「盗まれた絵画を元の持ち主に返してあげる」のだそうだ。懲りない。いたずらっぽい目が印象的だった。
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