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ヒトラーの忘れもののKのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
4.5
砂浜の美しさがあまりにも残酷。

憎しみの連鎖を誰が止められるのか。

エベも、ドイツ兵に誰かを殺されたかもしれない。監督も言っていたが、あの少年兵も戦争が終わるまでデンマークに何をしていたか分からない。だからこそ目に見える"ドイツ兵"という情報でしか判断できず、その"個人"には目が向けられない。見つめる作業は非常に困難だし、そう意味で軍曹は素直な人だと思った。この映画は救いの物語だが、現実は厳しいことが多すぎる。

そもそも、戦争がなければ皆、違うことをしていたんだろう。誰が悪いのか。誰までが被害者なのか。皆が傷を負ってる。


先日アメリカとイラン間で人々が死んだ。本気で次の日には戦争が起こるんではないかと怖かった。戦争が起こらなくたって、その時大切な人を殺された憎しみがどんどん募る。何年後になれば、全員ちゃんと想い合えるの。
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