シネマJACKすぎうら

ザ・ギフトのシネマJACKすぎうらのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ギフト(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

こういう、”贈り物”系スリラーは数多くあるため、如何に”捻るか”が作る側の腕の見せ所なのだろう。裏返せば、多くのネタが出尽くした感がある為、結構”レッドオーシャン”な分野ではなかろうか。

そういう意味では、本作は隙間のピンポイントを突いた力作だと言える。その結末(つまり、この物語の有り様)は、予測ができなかったし、ホラー映画ばりのビックリ箱的な”怖がらせ”が散りばめられていて、映画の進行を見届けるのが、恐ろしくなってくるような展開をみせる。

また、”ギフト”の贈り主が、その素性も含めて序盤からハッキリしている点も面白い。さらには、彼は決してサイコパスではないという点も。その仕込んだ罠が巧妙であればあるほど、彼の”頭脳的な資質”も相まって、その哀しみと怨恨の深さが浮き彫りになるという効果をもたらしている。
結果的に、あえて物語設定の前提条件を絞り込んで臨んだことが、本作の勝因のひとつだと言えるのではないだろうか。

あえてツッコミを入れるとするなら、”イカれた輩”が複数いて、彼らがお互いに敵対している場合、恐怖も相殺されてしまうのでは、という点。言い換えれば、それが本作の”ホラー”ではない所以と言えるのかも。

ラスト、主人公を打ちのめしたのは赤ん坊の目ではない。もはや、父親など誰でもよいかのような空気を醸す奥さんの強い眼差しなのだ。
結局、しょうもないオトコどもを”消去”して、幼子とふたり再出発を図るシングルマザーの背中を押す物語だとしたら、(特に欧米では)多くの働く女性の共感を得る一作なのかも知れない。

※↓動画でも本作を紹介させていただきました!↓
https://youtu.be/YrFjlSh6_IM