タキ

マグニフィセント・セブンのタキのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
3.0
「七人の侍」のリメイクではなく「荒野の七人」のリメイクという位置づけのようだ。おおまかなストーリーラインだけが同じぐらいの気持ちで見たほうがいい。
略奪男爵と呼ばれる悪役ボーグは血も涙もないやり方で立ち退きに反抗するものを見せしめとして殺し金鉱の採掘権を独占しようとしている。今で言うと地上げ屋みたいなもんだろうか。夫を殺された女性カレンとテディQは町を救うために一緒に戦ってくれる助っ人を探しに出るのだが、1960年の作品を2016年にリメイクするともなると7人の男の顔ぶれも現代風に多国籍になっている。黒人、メキシコ人、中国人、アイルランド系、フランス系、ネイティブアメリカン、山男(?)とさすがに1867年の話にしては設定にムリがあるが、そこはツッコんではいけない。多国籍軍だからこそナイフや弓矢、投げ斧など多彩な武器が繰り出され戦闘に変化が生まれてもいるのだ。しかしその風情をブチ壊すかのように敵方のガトリングガンが皆殺しの勢いで火を吹く。これ出しちゃおしまいジャン…てところをファラデーが身を挺して仲間と村人を守るのだった。この映画で1番アガるのは間違いなくここだ。ラストのチザムとボーグの直接対決は私怨プンプンでドス黒く物悲しい。チザムもカレンもたとえ復讐を遂げようとも亡くなった家族は帰ってこないのだ。
今、マレフィセントセブンをリメイクした意味はなんだったんだろう。多国籍以外に目新しいところもなく、やたら胸のあいたドレスを着たカレンを見るたびにうーん…と沈黙してしまうのだった。
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