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バービーのEeeのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.9
私が最も尊敬する女性の1人であるグレタが表現したかった世界。ずっと楽しみにしていた作品。タイミングを逃しに逃しやっと鑑賞、やはり劇場を逃した損失は甚大である。

ストーリーの総評としてはこれと言ってグッと来るくだりがなかった。あの大冒険の末にバービーが得たものがあまりハッキリ見えて来ず。
そもそもバービーにそこまで馴染みが無いせいか、あまり話にノれない。自分自身そこまで人形やおもちゃに関心のある子供では無かった(既製の工業製品にあまり愛がなかった)せいと、平たい顔族なせいもあるが、作品を追っていくと”バービー人形”自体が欧米諸国にとっても既に古臭いお人形として描かれていることがわかる。知らなかった。

ただギャグは最高に効いていて、バービーワールドに飼われていた(抑圧された)ケンが人間界でどんどんマッチョイズムに目覚め、滑稽に映されていく様が痛々しくて見てられないレベルだった。でももうあんなステレオタイプ、なかなかいないよね。しかしあの片鱗はしょっちゅう見かける気がするから、やっぱり間違ってないかも。ゴッドファーザーに関しては私も好きだしいくらでも語っちゃうから許して!!!!
あとマテオ社の初代社長のおばあさまのくだりもなかなかに面白かった。脱税で逮捕されてるのは実話。廃盤バービーと仲間たちがわんさか出てくるのも面白かった。そのチャレンジ精神は嫌いじゃない。
あとは安定のウィルフェレル。これについてはいつも通りなので割愛。

クライマックスについて
ケンのお歌を海辺で何時間も聴かないとこの世は変わらないのか。マンスプレイニングに耐え忍んでたら私たちの貴重な時間なんてすぐ終わってしまう。最後のバービーたちの反逆はなんかちょっと辛くなっちゃった。
我々におっさんどものお世話をしてる時間なんて微塵もないし、勘弁して欲しい。

グレタの作品はやっぱりFrances ha!やLady bird, Little woman に描かれるような、彼女自身が投影された等身大の女性たちがいい。泥だらけの手で本を読み漁り、日々をただがむしゃらに生きるような逞しいオンナが沢山出てくる映画、また観たいな。
Eee

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