グレタ・ガーウィグ監督、ノア・バームバック共同脚本作品。
「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」の直後に観てたのですが、感想なかなか書けなくてやっとです。
バービーランドで毎日幸せに暮らしていたバービーが、身体に異変を感じ、その原因を探るために現実の世界に行くというお話。
間違えなく女性向け作品だと思うので、男性が観ても刺さらないとは分かっていますが、ノア・バームバックの一筋縄では行かない脚本力に期待しました。
前半はコメディとしても、発売元のマテル社をディスったりする姿勢も含めて、男性の私でも面白く感じたのですが、後半、マテル社で働く女性が物語の中心になるあたりから、男性または男性性を小馬鹿にすることで、女性に対する共感性を求めるメッセージ性の強いドラマにシフトしていくと、映画に対して居心地の悪さしか感じられなくなり、物語としての面白みも失われてしまい、ラストシーンは良かったものの、全体的にはトーンダウンしていく後味の悪さは残りました。
もちろん、メインターゲットとして、バービー人形が好きな方や、少女時代に人形遊びをしていた方、女性に多い共感を得るという体験によって、満足を感じられる方にとっては、刺さりやすい映画になっていると思いました。
ただ、バービーランドのセットの造形や、廃盤になったバービータイプなどのこだわりは、エンドロールでさりげなく紹介されていて、良かったとは思いましたが、後半のケンのエピソードはもっと短くてよかったです。