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バービーのzatのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.5
バービーランドもリアルワールドもコテコテに男女バイナリでピンク似合わずパジャマパーティ入れてもらえない系女子としては終始居場所がなく、アランの女版いてほしかったというのが率直な感想。しかも女が男に勝つ方法がハニートラップによる選挙の妨害ってどうなの。バービー体型という言葉があるように抑圧的なルッキズムとセクシズムの権化というイメージだったから発売当時は女子のエンパワーメントだったという歴史は意外。マーゴット・ロビーがリアルバービー体型を逆手に取って奪い返すポジティブなバービー像。自認する性別の性器を持たないバービーはトランス的という当事者の方の読みはなるほどと思ったり。ジェンダー周り中心に英語圏のミーム系&ポリコレ系ブラックジョークがこれでもかと乱発されるがどこまで日本の観客に伝わっているのかは謎。ケンのダサさがあるあるすぎてつらい。終始悲哀が付き纏うマッチョボディ。ライアン・ゴズリングは40過ぎらしく設定より中年過ぎるのが余計効いている。現実のミラーリングとしての添え物ポジションは共感しかない。一人の人間として時間を訊いてもらえた時の喜び。男女の対立ばかり目立つが母娘の関係性も物語の軸になっている。ゴーストバスターズのリブート版もそうだったけど、主人公のルーツに関わる爺婆が霊として出てくるとただただ泣ける。マイナーバービーの元ネタが次々出てくるアーカイブ的なエンドロールもしんみりする。そういえばあまり人形の人形性みたいなあたりはそこまで踏み込みがなかったような。「レディバード」未見なので見てみたい。
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