働く女性が生き生きと活躍する社会の実現を、現代社会は追い求めてきていると思う。
バービーランドの世界では、女性が能力を発揮し、それぞれ個性を持っている。わきまえず、堂々としている姿には、女性であることに誇りを持てるのかもしれない。
一方で、「輝く女性」という言葉が一人歩きしているかのようにも感じる。現実では女性は家事、育児、介護といった母親、娘としての役割が重くのしかかっているなか、女性がありのままでいることに、社会はどのように向き合っているのだろうか、と思った。
そして、ケンはバービーへのアピールに必死で、自由気ままに行動しているかのように見える。
でも、ケンが自分の存在を認められないことは、ケンの抱える苦悩だ。バービー色にそまったワールドで、バービーの添え物として生きてきたケン。それは現代社会の女性の生きづらさでもあるし、そこのあたりは、女性のエンパワメントの作品であると感じる。
