N70

To Leslie トゥ・レスリーのN70のネタバレレビュー・内容・結末

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

 レスリーの怠惰さ、醜さを体現する、アンドレア・ライズボローの凄さ。
特に前半はしんどく、自分は何者にでもなれると夢描いたであろうレスリーが、愛する息子と離れるまでに絶望的な状況となり、息子たちのもとに行っても、また周りの人たちを傷つけて、失望させる。
暴言を吐く彼女に、痛々しさを感じた。

自分のダメさは分かり、後悔はしていても、どうすればいいのか分からず、何を間違えたのか内省できなくて、ただ自暴自棄になり、周囲の環境を憎みつづける。
過ちをしたレスリーを、周囲も受け入れることができず、どんどん孤立していく。
依存症の人が、1人の力で更生していくことの難しさ。レスリーが目覚めたように戦い、辛さに耐える姿は、厳しい現実を突きつける。

そして、モーテル従業員のスウィーニーたちは、レスリーを自分たちが見放したら、この人は生きていけないと思ったのだろうか、ひたすら支えて、彼女の救いになったと思う。

最後のナンシーの変化には戸惑いもあるけれど、レスリーに裏切られたことは許せなかったのだろうし、もう相手にしたくないと見限っていたのだろうけれど、レスリーが努力したことは認めたのかな。と感じた。

過ちに対して人間がどう向き合うのか、少なくともこの作品では希望があることは描かれていて。
アルコール依存症の人にとって、アルコール商品はあちらこちらにあり、誘惑がすぐ近くにあることの辛さを感じた。
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