あもすけ

パージ:大統領令のあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

パージ:大統領令(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

パージが施行されたばかりのころとはだいぶ変わってきて、イベントとして暴れるものも組織的に、パージ参加目的の旅行客がいたり、当たり前のこととして感覚が麻痺していく怖さがある。
でももちろん異議をとなえる人もいて、国全体を二分するような論争となり、その行方を左右するのもまたパージの夜という皮肉。
パージ廃止を掲げている大統領候補の過去が、家族を殺された、というのにもうひとつ乗っかって、自分が生き残ると選んだということがあって、抱えてしまった罪悪感を思うとたまらない。誰かのために自分を犠牲にすることは尊いのだろうが、極限でそう出来ないことは何も悪いこととは思えず、でもそれは傍から見た話で、当人にのしかかるものは計り知れず、そしてきっとそこの一点は誰にも明かしていないのだから、誰に責められることもないが、誰に許されることもなく、ずっと自分の中だけのこと。
大きな情勢にのまれてしまうような個人個人の出来事のやるせなさは、背景みたいに通り過ぎてしまうことによって更に、当たり前になってしまうことについて思わされた。
ギャング団的なゴテゴテの車にのってやってくる彼女たちの、パージの日ありきで日々ふるまっているような感じはすごい。
あもすけ

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