あもすけ

悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

一作目から直に繋がるものとして、引き継ぐというよりもかなり対照的な感じがした。ざらざらした質感はきめ細やかに、というのは解像度だけじゃなくて、もっとねっとりとした湿度をもって、そんな映像的感触は登場人物の思考の湿度とも連動しているように思った。レザーフェイスの何が恐ろしいか、という本質に、それを恐ろしいと感じることへの問いかけはどうしたって避けられない。皮肉たっぷりに特徴的な現代、それよりもっと現在というくらいの登場人物がいて、ひと昔前なら惨劇の火種としてまったく成立していたようなオープニング、だけどそういうことじゃない、メロディにめちゃくちゃ苛々させられたけど、ひとつのきっかけから彼女がどれほど深く悔いたか、旗のことでも各々の道理があって、確かに歩み寄る気持ちがあるのと、その前提となる価値観は噛み合わず、だから今描かれる物語として、それぞれがどんな選択をするかというのがものすごく気になって、誰が殺されて誰が生き残る、ということにそれぞれの、お前はどうするんじゃーーーという見方に込められたものがめっちゃ濃かった。ライラどうすんの、どっちなの、とはらはらした。執着した年月を思えば確固たる教え、だけど彼女はライラじゃないしライラは彼女じゃなくて、ライラならまた別の何かを見せてくれるのではないか、見せてくれ、と祈りながら、そっちかあああああいと脱力しながら、でも最後の最後までわっかんないでいられるのは姉妹というの大きい。不確定要素多くてひとりが心決めても思うように全然ならない。はらはらしたし、ぐらぐらして、あの一撃には納得するしかなかった。そういう見守り方だった。おもしろ。喜怒哀楽全込もりの一撃。

ひとりひとりの行動や振る舞いがとても象徴的で、レザーフェイスは屠殺術超早いし、近距離武器で距離あるからまだ猶予あると思った瞬間それぶん投げてくるし、めっちゃ重要な彼がそんなすぐ!!!だけど繋いでく、課してく、お前どうするんじゃーーーがずっと途切れなくて、あっという間の特濃だった。さしてる傘をぎゅっとしたまま距離をとって心配してる感だけ出して現実逃避したあいつのとこ一番印象に残っている。カルトのくだり、逃げながら汚物に塗れる場面、手を汚せ綺麗なふりするな、それでも愛と心意気を沢山見せつけてくれて、あんまりなぶった斬りほんともうあんまりだわ究極に残酷なラストひっくり返ったわやってくれたわ酷い。

あと最初のワインオープナーグッズ売ってたとこの店主が「よそ者」と言ってたその「よそ者」の意味、そういうことかと超キュンとした。
あもすけ

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