ばーどイヌサンローラン

パリ、恋人たちの影のばーどイヌサンローランのレビュー・感想・評価

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)
2.9
ゴダールから『息をするように映画を撮る』と言わしめたフィリップ・ガレル監督作。



本作公開記念としてフィリップ・ガレル・レトロスベクティブ2017というイベントで過去作が公開された。ずっと観たいと思っていた『恋人たちの失われた革命』を観るチャンスだったが、今回もまた都合がつかず、観られなかった…😖






ちょこっと あらすじ

愛は、影のように身勝手。
追いかければ逃げてゆき、逃げるものを追いかける――
アパートの一室。雑然とした部屋の奥、洗面所で長い髪を乾かすマノン。何度も鳴るチャイムには気づかない。ふと振り返ると、管理人が立っている。「2日以内に家賃を払わないなら出て行ってくれ」今にも泣きだしそうな気持ちを堪えるマノン。
ピエールは、ドキュメンタリー映画を制作している。マノンは、そんな夫を監督として世間に認めさせたいと自らの夢を諦め、パートをしながら映画制作も献身的に手伝っている。同じ目標を持つことが愛だと信じているのだ。
「難しい作品になりそうだ」ピエールの表情は暗い。映画制作はなかなか軌道に乗らず、2人の気持ちは少しずつすれ違っていく――。
ある日、保存係の研修生エリザベットが重いフィルム缶を抱えて倉庫から出てくる。その様子を見ていたピエールは手伝うことにした。暖かな日差しのなか並んで歩く2人。「まだ残りが…」ふいに見つめ合う。偶然出会った二人の距離は、あっという間に縮まった。
妻がいると知りながらピエールと関係を続けるエリザベットだったが、彼の私生活が気になってたまらず、こっそり2人が住むアパートを探しに来た。笑顔で会話をするピエールとマノンの姿を見つけてしまい、悲しげにその場を去る。
ピエールは、2人と関係を続けることが身勝手だと感じながらも、献身的に尽くすマノンとも、若いエリザベットとも別れる気はなかった。
ある日、エリザベットは偶然立ち寄ったカフェで、マノンと浮気相手の男が密会しているのを目撃する。それは1度だけではなかった…そして、真実をピエールに告げるが――。
想像していた未来とは少し違った現在。求めれば求めるほど、手のひらからこぼれ落ちていく理想の自分。
愛を求めて彷徨う3人が行きつく先とは…(公式サイトより)




感想

今回はルイ・ガレルは出ていません。でもナレーションで参加。(ルイ・ガレルは最初、観た時、あの爬虫類的な顔が全然いいと思わなかったんだけど、癖になる俳優と言うか、出てると観ずにはいられない俳優の1人です)



フィリップ・ガレルという監督は一貫して男女の愛を描いている。(しかも内面のエグいところを。)それは普遍的でとてもシンプルなもの。そしてモノクロームで描いているのも極端なまでに不必要な物を省いてシンプルにしたい為?余計なモノは見ず、そこだけに焦点を当てるかのように。



1組の夫婦の浮気。しかもW不倫。



ただそれだけの話。




今、日本でも不倫はブームですが…、20年以上も前に不倫は文化って言っちゃってる石田純一は、最先端?やっぱりアレだよねー、トレンディ俳優だけあるよね〜😱時代のトレンドの約四半世紀前をいってるのだ✌️




旦那は、男は浮気をするもんだ、して当然だとも言わんばかりに、自信満々に自分の浮気を正当化する。


だけど妻が浮気をすることは許せない。女は、特に自分の妻はそんなことしない、貞女だと思い込んでいる。



身勝手極まりない。



つくづく男って勝手だよね〜




浮気をすると優しくなると、よく言う。旦那が妻に花を買ってくるのだが、それを喜ぶ妻を見て『昔は花なんか嫌いだったよね』みたいなことを言うと『浮気された女を表すから』『男は浮気すると花でごまかす』『花を見ると女は疑うのよ』『男の切り札と』そして『でも、あなたを信じてるから』と牽制するシーン。妻は終始、旦那より賢いのだ。なんでこんな美人で聡明な女性が、こんなヒモ同然の男に、男の夢のために、その夢のサポートをし、その為に働けない(いや、単に働かない?)男の為に自らがパートまでして徹底的に尽くすのだ。母親に『全てを捨ててまで尽くす価値のある男はいない』と言われてまでも。



男女の関係は複雑怪奇なのだ。追えば逃げるし、逃げれば追う。計算のように割り切れないし、まして答えなんて永遠に出ない。




ドキュメンタリーとして取材していたレジスタンス夫婦の話しが全て嘘だったって、ラスト近くに解るシーンがあるのだが、偽りだったにせよ、過去に過ちのひとつやふたつあったにしせよ、最終、ふたりの愛が偽りでなければ、いいのかな?って思うと終わり良ければ全て良し、って…




ま、愛に良しとか悪しとかって、なんか変?だし、そんなのないんだろうけどね。




https://ameblo.jp/bird210bird/entry-12307349239.html