わたふぁ

ストーンウォールのわたふぁのレビュー・感想・評価

ストーンウォール(2015年製作の映画)
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男は度胸、女は愛嬌、と言うけれど
そのどちらも兼ね備えたレイは
とても魅力的な子でした。
目があった瞬間から惹かれたくせに
主人公のダニーは、レイに手招きされても、“その世界”にドップリと浸かることができずに悶々とする毎日です。

しかし
みんなゲイです、ここはゲイの街です、
と特別に線引きしたからと言って
みんなが右ならえするのもおかしな話で。
自分の居場所を求めてやってきたからと言って、ほいほい簡単には“染まらない”ダニーの姿勢は、健全なもののように思えました。

男か女かである前に、人である。
確固たる自分の意思を持って行動できるかどうかの人間性は、性別には関係ない。
男だって女だってクエスチョンだって、自分で思考することを止めてはいけない。そんな当たり前のことを考えたくなりました。

過剰な脚色が批判された実話ベースの今作ですが、アンディ・ウォーホルというオシャレアイテムを活用したアイデアは◎ 当時のニューヨークを代表する遊び人で、隠してはいたがゲイ丸出しだったアーティスト。しかも、主人公とその妹のほんわかした会話の中だけに登場するのもまた乙。