にしやん

22年目の記憶のにしやんのレビュー・感想・評価

22年目の記憶(2014年製作の映画)
4.2
ストーリーがちょっとユニークや。何か原型になるような話あるんやろか?もし全くのオリジナルやとしたら、ようこんな話し思いつくもんや。
自分のことを北朝鮮の最高指導者金日成やと思い込んでまう売れへん俳優役を演じるソル・ギョングの演技がまず凄いわ。こんな難しい役ようできんな。この俳優さん、アルツハイマーの殺人犯役とかもやってはったけど、とにかく演技力が半端やないわ。
話の筋としては、長年に渡って横たわる父と息子との間な大きな溝と、それを乗り越えていく親子愛が背骨になってんねんけど、それだけや無しに、金日成に成り切ってしもてる親父が巻き起こす中盤の珍騒動も大きな見どころや。ブラックユーモア的なギャグになってて結構笑えるわ。南北関わらず、政治そのものに対して皮肉たっぷりなところもなかなかええわ。
最大の山場のシーンでのソル・ギョングの演技は圧巻やったわ。その演技力も然ることながら、皮肉な運命に振り回されてきた親子が自分達の人生そのものを取り戻していく姿に感動するわ。映画冒頭のシェークスピア劇の伏線をしっかり回収しとうとこも映画としてめっちゃよう出来とうわ。
それにな、そこでこの話が終わらんとこがまた、また凄い。ここから先は感動の波状攻撃や。これでもか、これでもかと畳み掛けてきよんねん。もうたまらんわ。ホンマやめてーな!やで。
ゲラゲラ笑ろて、最後はジーンと泣いてのベタなパターンの映画が大好きな人にはめっちゃオススメや!
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