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更年奇的な彼女のemilyのレビュー・感想・評価

更年奇的な彼女(2014年製作の映画)
3.0
卒業式にウェディングドレス姿で逆プロポーズしたチー・ジアだが敢え無く撃沈。そのトラウマを抱えたまま26歳になり、若年性更年期障害だと診断されてしまう。ある日大学時代の冴えない同級生ユアンと家の前で再会し、親友と三人での同居生活が始まる。元恋人の結婚の知らせを受け、三人は略奪婚を仕掛けるが。。

韓国の「猟奇的な彼女」、日本で製作された「僕の彼女はサイボーグ」に続く、「アジアの彼女3部作」の完結編として中国を舞台に繰り広げるラブコメディ。

ポップかつコミカルタッチで描かれており、若年性更年期障害をユーモラスに非常にわかりやすくライトに描かれている。仕事する女性が多いストレス社会だからこそ、誰しもに当てはまる節があり、男性に理解されにくい部分が軽いタッチで描かれてるからこそ、入りとしてはすごく親切に感じられる。

近代的なタワーマンションを背景に、対照的な三人が暮らす年季の入ったアパート。時代な変わり行くけど、大事なものは何も変わっていないことを交差させながら、路地の階段や建物と建物の間をロマンティックに描写し、若年性更年期障害が雰囲気をうまく中和させ、王道ながらもスパイスの効いたラブコメに仕上がっている。

煌びやかシーンの後にはしっかり落とし所をつくり、度重なるお姫様だっこもするっと物語に忍び込ませ、ラブとコメディのバランスが非常によく、テンポ感も抜群だ。大雨のエピソードも唐突でありながらギリギリリアルの枠から出ることなく、三人をグルグル回るカメラに酔いながら、チーが見えてないユアンの行動の証人となる。

終盤は一番近くにいた一番大切な物に、居なくなって気がついていく、絵にのせた描写はロマンティクでぐっと心を掴まれ、一番の見せ場だろう。赤色が全編引っ張って行き、空間を埋める小物もポップで鮮やかなので視覚面でも楽しめる。
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