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僕たちはバンドゥビのbarakachanのレビュー・感想・評価

僕たちはバンドゥビ(2009年製作の映画)
4.5
期待以上の良作。

韓国の社会問題を、韓国人女子高生とバングラデシュ移民の両側から、そして二人が交差する中で浮き彫りにしていく。

社会の弱者である移民。そして交流を持つことになる女子高生。

韓国人女子高生は、家庭に大きな問題を抱えてるけど、自分の力で、時に「魔法の手」を使って、強く前に進んでいく。
その手はきれいではないけど、女子高生の手とは思えないほど力強い。

一方のバングラ移民は、真面目で、清らか。ただ、ひたすら韓国の強者に搾取される。そして心の中には、搾取する側の韓国人への怒りも持っている。

彼らが一夜、不確実な関係でも、幸せな時間を過ごしたことは、たぶん一生、心の中で確実な幸せとして、暗い道を照らす灯火として残り、勇気づけてくれるような気がする。

韓国映画は、2009年の段階で、自国の大きな2つの問題を絡めた良作を作ってて、骨太としかいいようがない。

イスラーム映画祭はできるだけトークショー付のものに行くけど、この回もとても良かった。その国の背景を知らないと気づけないディテールが散りばめられていて、深みがますからありがたい。

何よりこの作品を映画祭で配給した藤本氏に感謝。すごい。

メモ 今回は例えばムスリムを迫害してたのは熱心なクリスチャンであった=宗教的な否定ではなく、多数者として描かれていた。
バングラデシュ移民役の俳優さんは今では韓国の映画製作会社の社長さんとのこと。やった〜
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