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20センチュリー・ウーマンのEeeのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.6
煙草。
ひたすらもくもくしてた印象。

それさえもSanta Barbaraの風が爽やかに吹き飛ばしてしまう、そんな映画。

よく言えばあっさり爽やかで、悪く言えば取り留めのない人々が、おもいおもいに自分の問題と向き合って、其々が影響し合うんだけど、結局何かが大きく変化する訳じゃないし、すっごく強い絆で結ばれてハッピーになる訳でもない。

それでいて随所に散りばめてある詩的な台詞なりカットなり、とてつもなくきらきらして魅力的な映像ばかり。

どのシーンを切り取っても芸術的且つ自然な背景のオンパレード。凝ってるのにムダのないインテリアが全部真似したいくらい素晴らしかった。

付随してファッションも言うまでもなく。
とくに着飾っている訳じゃないのにみんなさらっと好きなオシャレを楽しんでる感じ、素敵でした。
グレタの少しくたっとしたシャツにパンツのスタイルが似合うこと似合うこと。

エルの強烈な存在感は、透明感のカタマリのようでいて、ときどき強烈な毒々しさも感じる。(毎度のこと)見るたびにまんまと虜になってゆく。

そして母と息子。
息子を持っている訳じゃないから全ては分からないけれど、あの10代半ばにさしかかる危うい時期の少年が、危うすぎる人間に囲まれて、でもしっかりと自分を見据えて 周りはこう。だけど僕はどうなんだ。って悩む過程はグッときた。

心配な息子を委ねる対象、完全に間違えてるけど(笑)

フェミニズムってきっといま一番“正しく”知らなきゃいけない単語で。
日本人にはかなり馴染みが薄くて、直接的な意味もきちんと理解出来ているひと少ないんじゃないかなぁ。海外では子供のフェミニズム教育も必須となってきていて。そのフェミニズムを特に説明しているわけではないけど、20世紀から現代に繋がる様々な問題にそっと寄り添って問い掛けるような脚本。
Eee

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