いの

打鐘(ジャン)~男たちの激情~のいののレビュー・感想・評価

3.7
ジャンと言ったらフランス人。
もうひとつ。
ジャンと言ったら打鐘(ジャン)。
🚲競輪で鐘を打ち鳴らすこと。

※ふたつとも このフィルマで教わったことです(ありがとうございます♪)


黒沢清が描く競輪の世界。直情型主人公のあまりの変人具合に笑った。猪突猛進とはこのことか。段ボール箱にだって飛び込んじゃうよ。主人公立花ワタルが偏愛してやまないのは常に1位の清原。あまりの偏愛ぶりにも笑ったった。競輪してるときの、ふくらはぎとか、きゅっと引き締まったお尻だとかに見とれてしまって、観てるわたしも変態になりそう(ならない)🚲 ふたりの勝負の間には大杉漣が。こんなことしてたら出禁になるよと言われても全く意に介せずしかも出禁にならない大杉漣。風に揺れるカーテンは登場しなかった。競輪場の地下通路がとても印象的。


「先行一車は黙って買え」←今、知った格言
でもこの映画では観客含めてみんな黙らない


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持っている本のなかにあった、公開当時の監督の発言?を以下に記します。



 昨年『打鐘・男たちの激情』という競輪の映画を撮った。その取材の時、出走直前の選手を目の前で観る機会があったのだが、若い選手が闘志と緊張で本当にからだをブルブル震わせていた。あんな状態でちゃんと走れるんでしょうか、と係の人に聞いたら、「走ってるうちに緊張がとけて、あとは闘志だけが残る。勝負はそれから」だそうだ。(新聞広告「私と競輪」)
黒沢清『映画はおそろしい』p288(青土社)2018年
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