Dumbo

ブルーに生まれついてのDumboのレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
4.0
【勝手に一人イーサン・ホーク祭 ②】


終始辛くて切ないけれど、
観る人それぞれの孤独や苦しみを、
そっと救いとってくれるような
優しさがありました。

ここでもまた、
イーサン・ホークは弱い人間の切なさを
見事に演じていました。


伝記映画というのは、
その人を知らない人が観てどう思うかが
難しいところだと思います。
私はジャズにも全然詳しくないし、
チェット・ベイカーその人のことさえも
知らなかったのに、
最初からすごく入り込めました。

やっぱりこれは
イーサン・ホークの力が大きいと思います。


ジャズ界のジェームス・ディーンと
言われていた天才ミュージシャンが
ミュージシャンとしての致命的な怪我をして
ドラッグと女に依存するダメ男に
堕ちていく様子は、本当に切ないし、
薬物は本当に怖いと思いました。
音楽をやめないために
手を出してはいけないのに、
音楽をやりたいがために力を借りてしまう…

天才ミュージシャンの光と影の
影の部分を主に描いた作品なので、
ほんとに辛い…

ドラッグに依存してしまう人たちに
ミュージシャン、俳優、スポーツ選手が多いのは
いいパフォーマンスを見せなければという
プレッシャーが強いからなのでしょうか。
ダメで弱くても、
「音楽がやりたい」
その思いだけで、
ひたすらに短い人生を生きた人。


「ニューヨークに一人で行けない」
ってジェーンに甘えるイーサン…じゃなくて
チェット・ベイカーがたまらない😍
ヨシヨシしてあげたくなる💦
ダメだ…やっぱりダメ男が
愛おしく思えてしまう…


悪魔の囁きを断ち切れなくてあがった
あのステージでのハスキーで甘い歌声に、
ノックアウトでした。
ご本人が歌うのも聴いてみたけど、
かなり雰囲気似てました。
そこにイーサン独特の味わいも加わって、
危うくて甘美な歌声にやられました😅

でもその歌声を聴いたジェーンは
わかってしまったのですね…

寄り添ってダメにする愛と、見捨てる勇気と…
私ならどちらを選ぶだろうと
ジェーンの立場になって考えました。

悲しくて美しくて儚い愛の物語。

Born to Be Blue
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