サマータイムブルース

ボブという名の猫 幸せのハイタッチのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

3.8
冒頭「実話に基づく物語」です、とクレジットが出ます
うわー、コレはニャンコ好きにはたまらない映画でしょ!!

ジャケ写からもっとコメディ寄りなのかと思ったけど、割とシリアスな内容でした
猫の可愛さを全面に出したり、変に御涙頂戴的なところがなくて、自然な演出だったところがポイント高いです

猫のボブとホームレスの青年ジェームズ・ボーエン(ルーク・トレッダウェイさん)がハイタッチするシーンには思わず笑顔がこぼれました

リアル「トムとジェリー」が楽しい

ジャンキー仲間のバズが出てきて、こいつ、ジェームズを麻薬中毒に引き戻すんじゃね?と、途中ハラハラして見てたけど、そんなこともなく、彼は悲しい最後を迎えます

メタドンて初めて知りました(恐竜ではない)
気になって調べたら、合成鎮痛薬だそうです
麻薬をいきなりやめるのは難しいので、メタドンを定期的に服用することによって、徐々に薬を身体から抜いていくそうです
その代わり切らすと薬物への欲求が強くなって、かえって悪影響をもたらします
持続させることが大切なのです

家族に見放されたジェームズですが、ソーシャルワーカーのヴァル(ジョアンヌ・フロガットさん)が彼のために住む場所を提供したり、隣りに住む若い女性ベティ(ルタ・ゲドミンタスさん)と仲良くなったり、周囲の人が彼を支えます

ベティは笑顔が可愛くて、美しくてチャーミング、彼女がここに住むのは理由がありました
亡くなった大好きだったお兄さんが暮らしていたアパートなのです
ベティとジェームズが変に恋愛関係に発展しないところも良き

日本でも雑誌「BIG ISSUE」を駅前などで販売するホームレスをよく見かけるけど、縄張りが決まってるのは知りませんでした
破ると罰則があるらしい
ジェームズもやむなく縄張りを犯して1ヶ月活動停止の罰則を余儀なくされ金欠になります
今度BIG ISSUEを販売しているホームレスを見かけたら、積極的に購入しようと思いました

号泣するような映画じゃないけど、見てるうちに笑顔になって、心がポカポカしてきます
エンドロールで、本物の猫のボブとジェームズがハイタッチしてる写真が流れるのもほっこりしました