あ

マダム・フローレンス! 夢見るふたりのあのレビュー・感想・評価

3.8
字幕 古田由紀子

オープニングから40年代ハリウッド!なかんじでデスプラの音楽がめちゃくちゃいい

下手な曲も含めて1曲すべて見せきることで見えてくるキャラクターの魅力、人柄

エレベーターでちらっと視線を送る外野の存在、不倫する夫、愛人、妻 という構図、そこに介在する第三者の存在
音楽をとおして面白おかしく描かれる世界

完全に世紀末ウィーンのオペレッタを意識したつくり。
オペラではなく オペレッタ。笑いの要素あり。
その象徴ともいえるシュトラウスの『こうもり』からアデーレの笑いのアリアを選んできたあたり、監督はかなりオペレッタに造詣が深いと思われる
アデーレは女中で身分が低くていつも家の中に閉じ込められていて、でもほんとは歌手になりたくて歌う曲(最後には歌手になれる)なんだけど
ひとを見た目で判断しないで、という意味が含まれる歌を、フローレンスがはじめにひらくコンサートで歌わせる監督のセンスがとてもすきです

ピアニストがオーディションで弾いたサン=サーンスの『白鳥』も 瀕死の白鳥が生きようともがく歌、まさにマダムなのでは
あ