たらこパスタ

若き詩人のたらこパスタのネタバレレビュー・内容・結末

若き詩人(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とても面白かったです!

ワンシーンの時間が短めでワンショットワンシーンの何も起きないシーンなどが多くあるのですがそれらがどれもかなり好き!歩く、船で移動する、お気に入りの場所に座る、行動のひとつひとつが彼が詩を通じて自分や他人と向き合いわからなくなったりする緩やかな時間がどれも豊かだなと思った!彼の移動や彷徨、人々との出会いはたくさん描かれているけど彼が拠点で寝食をする時間などの生活を維持するための日常のシーンがなかったのも印象的でした。レミくんが外側へアイデアや糸口を求めてオープンマインドな感じが可愛らしくもあり、でも彼女さん(ではない)との距離感は彼女からしたら不可解であろうなと思ったり、目で自然に追ってしまう魅力があるキャラクターだと思います!
いつものお墓の前で頭を悩ませてたらいつのまにかいる初めましてのおじさんとの距離が近すぎる座り方、そして表情を向け合う時のぎこちなさとか シュノーケリングの潜る瞬間のシュコシュコ呼吸音ともたつくフィンとか 手すりで往路復路がわけられている階段にて、手すりの反対側にいる人にに話しかけるために6段しかない階段を3段登ったところで3段引き返さずに手すりをくぐり抜けちゃう遊び心とか 会って二日目の女の子に送る替え歌フルコーラス(しかも向かい合った定点のカットなんです)の気まずさとか とにかく電話番号聞かなかったことにめっちゃ切り込んでくる友人との会話とか リアルすぎるゲロり音とか 日常の実在に説得力を与える情報でスタイリッシュじゃなくて手際のわるい時を映像だとたくさん盛り込むことができるんだと思って魅力をめちゃ感じたし観ていて心地よさがありました!

レミくんが詩の創作に向き合い彷徨う日々が丁寧に描かれる中でバラバラと形になった詩の断片が見えたり拡散したりしていき、最終的に物言わぬ墓に向かって語りかける場面での自身との対話(と自分は感じました!)で連続して繋がる言葉にささやかなカタルシスがあり、余韻の残る素敵な作品だった!!
たらこパスタ

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