よねっきー

帰ってきたヒトラーのよねっきーのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.1
【笑うな危険】
今までも、小栗旬は過去に戻り信長になったし、阿部寛は現代日本を見て風呂を発展させてたよね。この映画も同じだと思ってたんだ。
ヒトラーが現代に来てコメディアンになるんでしょう、楽しそう!くらいの気持ちで観始めて、笑ってた。しかし、この映画ではストーリーが進むにつれ、文字通り「笑えない」事態になってくる。

正直言って変な映画だ。癖が強いってやつ。構成も変だし、撮影方法も特殊。それがこの映画の魅力ですかね。
まず構成についてなのだけど、まあ初めは予想通りコメディ的に始まるのだ。ここはどこ?今は何年?みんなどうなっちゃったの?なんてお決まりの始まり方。しかし終盤にもなると、まあ普通の映画じゃ見ない感じのお話に。おれ、3回くらい「これで終わりか〜」ってなったもん。
そして撮影方法について。観てみたらそこまででもないなって感じではあったけど、痺れますよね。ヒトラーのアポなしインタビューだ。現代のリアルな声を聞くことになる。人って様々だ。怒ってる人も、満足してる人も、いろいろ。この演出が醸し出すリアル感とか、緊張感は見事。

選挙のこととかちゃんと考えようと思いました。「お前ら、それで大丈夫なの?」って警鐘を鳴らしながらストーリーが進んでいくのが、不安げながら正直に「面白い」。普通のジョークとブラックジョークの使い分けでコメディとシリアスを上手くわけて表現できていたように思います。変な映画ですが面白いですよ。おすすめ!
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