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ジョン・F・ドノヴァンの死と生の655321のレビュー・感想・評価

2.9
グザヴィエ・ドラン監督作品って
悪意をふんだんに塗した言葉がよく出てくる。
売り言葉に買い言葉で相手も投げ返してくる。
そしてまるで雪だるまのように
行き来する度に悪意は膨れ上がってゆく。

正直、私個人の感覚としては理解出来ない。
何故そんなに自分を制御出来ないの?
相手を害してやろうと吐いた言葉で傷付くのは自分自身なのに。
私は…
怒ることは時に優しさになり得るけど、
傷付けることは優しさになり得ないと思う。
ドラン監督は“ぶつかりあう”ってどういうことだと思ってるんだろ。
傷付けあうことを真実と呼んで美化しているのかな。
それとも彼の作品は自己セラピーなのかな。
どちらとも取れるから判断がつかない。

上手く言えないけど、なんとなく私が今まで観てきたドラン映画の人物より、ひどく邪悪で幼稚に感じられて悍ましかった。
だから今までの作品と違って、膨れ上がった悪意にただただ嫌悪感が出てしまった。
もっと繊細な悪意を描ける人だと思う。
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