インド映画265本目は生真面目な犯罪映画。
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2015年度IFFJ上映作。
妻子を銀行強盗に殺された男。
幸福な生活から一転して孤独な世界へ。
犯人の一人は捕まるが、もう一人は逃亡したままの状態で、15年後、復讐のチャンスがやってくる。
捕まった犯人が嘘をついていたことで、「正義」だったはずの復讐は思わぬ方向に転がっていき・・・という方向性の物語。
役者の演技もいいし、テーマも現代的で野心的だし、傑作になる要素は揃っているのになんとなく据わりの悪い映画でした。
方向性に間違いはないと思うのですが、あまりにも生真面目に撮りすぎていて、テンポが単調なんですよね。
観客に判断を委ねるにしてももう少し方向性を打ち出すか、逆にもっとフラットに描いたほうが伝わるものが多かったような気がします。
印象としては結論観客に丸投げ、です。
犯人側の演者は全て良い演技をしています。特に女性がいい(妻とか恋人とか母親とか)。芸達者な役者さんが揃っていて、どの出演者でも役者のファンの方は見ると楽しめると思います。
被害者の遺族を演じるヴァルン・ダワンと犯人の一人を演じるシッディーキーの芝居もキャラクター設計もちょっと癖が強く、すんなりと受け止め難いのですが、その辺が狙ってのことだとしたらすごいです。
原題:Badlapur
(不自然に感じるのはなぜだろう 2016/11/19記)