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ノー・エスケープ 自由への国境のsssのレビュー・感想・評価

1.0

低予算でアイデア勝負の映画かと思って期待していたがこれはハズレ。

砂漠でスナイパーに狙われる映画として、
傑作「ザウォール」の足元にも及ばない。

そもそもスナイパーのキャラが薄いんだもん。正体を初めから明かすなら、それなりにユニークなキャラじゃないとダメだよ。
極悪非道なのか、頭がいかれてるのか、狂信的な愛国者なのか。
なのにこのスナイパーおじさんは
優しい目をしてるし
渋くてハンサムだし
どんくさいし…
キャスティングもキャラ設定もがおかしいだろ

正体を見せずにさ、
誰が何のために?
なぜ主人公を狙うの?て感じのさ
いつどこから弾が飛んで来るかわからない状態の方がよっぽどサスペンスだよ。
それこそ「ザウォール」の敵スナイパーなんて一度も顔みせないのにめちゃくちゃ魅力的じゃん。

逃げる主人公たちの各々のキャラも薄いから、ただ追う者と追われる者という設定でしかなくて。
もっと彼ら個々の性格とか人間らしさとかバックグラウンドとか見せないとこっちは感情移入できないわけ。
がんばれ!逃げろ!って気持ちになれないよ。
いやそれこそ何でもいいけど例えば「スピード」のキアヌリーブスとバスの乗客たちってみんなちゃんと個性あるじゃん。
あーゆーの見て勉強しないと。
なんでもいいじゃん。例えば一人妊婦の女性がいるだけでも緊迫感は違うよ。
彼女と赤ちゃんを守らないとって緊迫するじゃん。頼むから転ばないでくれってハラハラしながらこっちは見るじゃん。
何でもいいからそういう設定が必要なの。

ただ追う者と追われる者って設定のサスペンスだけじゃ足りないんだよ。

そんでこいつから逃げる方法とかでアイデア勝負するのかなと思いきやそうでもないしさ

隙を見てトラック盗んだりさ
発煙弾でスナイパーおじさんをおびき寄せたりはするんだけど
なんかつまんないんだよね
知恵を使ってる感じがしないというかさ
アイデアがつまんないというか

観客を驚かせたり
観客より一歩先の知恵を使ったりとかしないわけ

終盤で岩陰の死角に隠れてる横をスナイパーが通るとかさ
すんごい退屈
「プレデター」とか「ランボー」とか「アポカリプト」とか見たことないのかね。


あとは音楽に頼りすぎ
そんなに緊迫するシーンじゃないのに音楽で緊迫感があるように見せてるだけ。
大袈裟な音楽の割に映画の質が付いてきてないので非常にバランスが悪く、観ていてイライラした。

もうこうなったら色々気に食わなくなってくるわけ。
このスナイパーは何発持ってんだよ、とか
弾切れのサスペンスとかやれよ!とか
てかそもそもあのタイトルの出し方がダサいんだよ!とか

唯一良かったのは犬の口に発煙弾を撃ち込むシーン
あのシーンは他では見たことがないからちょっと新鮮だった

でもそれぐらい
最後にまたあのだっせータイトルの出し方やりやがって、クソかよ!って思った。
何をそんなに気に入ってんだよ!
そもそもダサいんだよ!って。

エンドロールの音楽は気取った感じだしさ
ドヤ顔が半端ない

いやー超期待はずれだった

この監督、「ゼログラビティ」のキュアロン監督の息子だけど、こいつはダメだ
sss

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