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リメンバー・ミーのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
5.0
【ネタバレなし】
光と色の洪水のような映像と画面の奥行きの深さ!
ぜひ映画館で“浴びて”欲しい作品!

個人的な近年のディズニー&ピクサー系のベスト『シュガー・ラッシュ』(続編楽しみ!)の、鑑賞後の劇場内と同じ現象が起きました。

感動し打ち震える大人と、早く帰りたい子供たち(ちなみに私の子供ではなく、周りの家族連れのことです)
…ハッキリ分かれる図式の再現!
でした。

今作も、長めのエンドロールだったんですが、それでも大人達にとっては涙を拭うには足りない!(笑)
(人生経験の少ない子供は感動浅いんですよ…)

実写にリアルに溶け込ませるCG技術は、お金と時間をかければかけるだけ、ある程度のクオリティは出ると思いますが、今作のように漫画としての3Dキャラクターの造形となると、想像でしかないんですが、予算や時間以外にセンスという、また次元の違うものが必要なように思います。
そういう意味では、キャラクター表現としての技術は相当アップしているように思いました。

具体的に何が?というところはよく分かりませんけれど、なんか今までとちょっと違う感じ。
印象としては、単に人間らしさのリアルとか滑らかさというより、昔のNHKの人形劇の路線で、その魅力を数百倍進化させたような「動き」の感じがしました。
(もちろんピクサーのスタッフは知らないとは思いますが…)

内容としては、読めそうでちょっと変化球…でも王道に落ち着く感じ。

現実での倫理観、例えば“約束”のようなことが《死者の国》では、ちゃんとしたルール(決まりごと)となって、ストーリーに絡まる作り方が、本当に上手いと思いました。

そして、メキシコの《死者の日》が、形式的な部分から、ご先祖さまへの想いという考え方まで、日本でのお盆と凄く似ていて、もしかしたら人類共通としての心の中に刻まれているのかな…と。
(人類学的に文化や宗教の伝播という部分で、ある程度説明がついてるのかもしれませんが…)

キーとなる曲“Remember me”のメロディの太さと、ストーリーに絡めた歌詞の良さ、この曲の存在はミュージカル並に、本当に大きい。

ひとつだけ気になるのは、もはやピクサー共通なんですが、画面の中の看板を日本語に変換しなくてもいいんです!
このレベルの物語を理解できる日本の子供には、あくまで画面の中は現地語で、そこに字幕をつけるという”約束事”は、既に成立しているんです!

まるで、ウェイトレスに「美味しいですね」と言ったら「缶詰です」と返されたような気分…(ちょっと違うかな?)
特に今作は、架空の世界じゃなく明らかにメキシコ🇲🇽なのに日本語は絶対におかしい!ブレードランナーじゃアルマーニ!

100歩譲ってスペイン語風なロゴのデザイン文字を作るとか…とにかく明朝とかゴシックのスッカスカのはヤメて欲しい。

とにかく、そこの部分は、おもねってくれなくていい!

もうホントに誰か権力のある人、宮さんか鈴木プロデューサーでもいいから
「ラセター君、あぁいうのはネ、日本語に変換しなくてもいいんだよ」
と、アドバイスしてくれないものでしょうか!!!
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