◇ピクサーが描く「死」
吹き替え版
何ヶ月前に見たのかも覚えていないけれど、さすがのピクサー、教科書通りのストーリー構成で安心してみていられる。
「死」という一見ネガティブな題材を、丁寧に作られた美しい世界観と心地の良い音楽によって、悲しくも楽しくも描くのがすごい!
家族や友人の死は悲しいものだけれど、私達が覚えていれば、向こうの世界で私たちをのんびりと待っていてくれる。
この作品で描かれる、死後の世界は、現実に投影するならば、やはり生きている人間の記憶の中の世界で、忘れられることが本当の意味での死を表す、という表現は、フィクションながらに納得できて、残酷で悲しかったです。
宗教的にアメリカとは違い、日本では、体の死が存在の喪失を意味するように思えるけど、やはり社会的な死は、忘れ去られることなのは世界共通な気がする。
主役の吹き替えの子の演技が上手くて、歌う場面のたび、泣いた記憶がある。
上品な映画だと思う……