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ぼくのエリ 200歳の少女のバナバナのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.3
この写真の金髪の子がエリかと思ったら、この子は男の子なんですね。

ここ最近のヴァンパイア物だと、透明感のある、血管が透き通ってる系の俳優が吸血鬼を演じる事が多かったと思うのですが、今作では見た目が子供とはいえ、ワイルドでしたねw。

ちょっと私が本作で付いていけないと思ったのは、人間狩るのに電車に乗ったり、壁の薄いアパートに住んだりと、生活感が出過ぎていたところです。
従来のヴァンパイア物だと、お屋敷に住むなど如何にも金持ちで、セレブで近付き難い雰囲気を出して人を遠ざけていたと思うのですが、本作では生活感が丸出しなので、架空のヴァンパイアがいる世界から、どうしても現実の世界に引き戻されてしまうのです。

エリは本当の年齢は200歳位という事だけれど、この様な頼りない捕捉生活で、戦後60年をどうやって生き延びてきたのか。
日本と違って総人口の少ないスウェーデンで、こんな猟奇的事件が頻発したら、余計仕事がやり難くなっちゃうんじゃないの、
などと、余計な事を詮索する余裕を与えてしまうのです。

アメリカでも最近リメイクされたそうですが、アメリカだと家賃安くて地下室付きの一軒家が多いと思うので、この様に生活感丸出しの苦労をする事はないんじゃないかと思います。
そして、前半の部分は「この子、親から虐待されてるんじゃ…?」みたいなサスペンス風で、もうちょっと引っ張れたんじゃないかと思うのですが…。

『ポーの一族』や『インタビュー・ウィズ・バンパイア』などでは、必ず長く生きていると、外側は子供でも中身は老成していて老獪な登場人物が出てきていましたが、
エリは200年も生きている割には、オスカーに計算して近付いているのではなく、本当に友情を感じている様に見えました。
日本でも最近イジメ問題がクローズアップされていますが、もし日本に現れたら“必殺仕事人現る”ですね。
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