ミヒャエル・ハネケ×イザベル・ユペールといえば、「ピアニスト」を思い浮かべる故、この映画も相当な"ど変態ムービー"なのだろうと覚悟して臨んだのだが。。
今作はあまり(ストーリー上)露骨な性描写が出てこないせいもあってか、"変態っぷり"も控えめな印象。ただ、出てくるキャラクターのほぼ全てが、どこか屈折している。その"変態性"をそっと奥にしのばせているかのように。
また、スマホやSNSを人物描写のツールとして見事に使いこなした御歳75歳のハネケ監督の現役感がハンパなく感じられる一作でもある。
そして、この映画では激しく酷い境遇に揺さぶられる人物も、ぶっ飛んだ異常性を放つ過激なキャラも登場しない。ただ、この家族を構成する者それぞれが、思いおもいの"ハッピーエンド"を模索するあまり、徐々に破滅へと向かう兆しを滲ませてくるあたり、実に過激で酷(むご)い映画だと言えるのかも知れない。
本作『ハッピーエンド』のレビュー動画を配信中!!【※ネタバレなし】
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