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ガタカのGreenTのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.0
遺伝子操作がテーマの映画だったんですね。

オープニング、スリックなイーサン・ホークの外見、彼が演じるジェロームの奇妙なルーチーンがなんの説明もなく描写され、「遺伝的にパーフェクトなジェローム・・・しかし本人ではない・・・」みたいなナレーションに「お!」と魅きつけられます。

また、建造物が美しく近未来的で、それも観る気にさせられます。全く時代を感じさせない映画です。

お話は、近未来、人々は遺伝子操作で両親のポテンシャルを最大限に活かせる子供を作るようになる。ヴィンセント(イーサン・ホーク)は自然妊娠で生まれた子供で、出産直後の検査ですでに心臓病になる可能性99%、寿命は30歳と診断されてしまう。

ヴィンセントは宇宙飛行士になりたいと猛勉強をするが、遺伝的に欠陥がある「不適正者」とされ、清掃業などの肉体労働にしか就業できない。DNAブローカーに接触し、事故によって脚の自由を失った「適正者」の元水泳選手ジェローム・モロー(ジュード・ロウ)の血液や尿などを使って生体偽装をし、宇宙局「ガタカ」に就職、タイタン探査船の宇宙飛行士に選ばれたが・・・。

今考えると面白いのは、宇宙飛行士なのにずっとスーツ着てましたよね。宇宙服は出て来なかった。

この間、ジョニー・デップとの裁判に負けたアンバー・ハードは、イーロン・マスクとの受精卵を凍結しておいて、代理母で娘を授かったんですよね。「肉体的に問題があるわけじゃないのに、自分で産まないんだ!」と思ったけど、妊娠・出産をすると産休取らなくちゃならないとか、男性には全く起こらない「不都合」が起こるから「女性もそういう不都合なしに母親になる権利があってもいいじゃないか」ってことか、と思いました。

この映画のテーマである「遺伝子操作」にはあんまり関係ないけど、今やそういう時代になったんだなあと。

この映画でも「エンドレス・プール」とか、アップル・ウォッチの先駆けみたいのも出てきたし、電気自動車も出てきた。

近未来の建物はセットではなく、1930年代から50年代くらいに建てられたビルディングを使ってるんだそうです。その中の一つは、フランク・ロイド・ライト設計のビルなんだそう。監督のアンドリュー・ニコルは「未来を一から構築し、デザインできないなら、過去や現在の優れた部分を拝借し、未来に持ち込む方が良い」と考えていたそうで、ほんとそうだなあ、今観ても全く古臭く感じないなあと思いました。

未来的な設定の割にはストーリーは殺人事件が起こり、犯人探しをする王道スリラーでした。ロジャー・イバートは「アイデア勝ちの知的なスリラー」と評していたそう。

あとはネタバレになってしまうので、コメント欄で!
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