カッシー

ジャック・リーチャー NEVER GO BACKのカッシーのレビュー・感想・評価

3.5
★×3.5が満足ラインなので及第点ではあるんです。すごく楽しめたんです。
ダークナイトのレビューでちょっと触れたキーシ・ファイティング・メソッドを用いた肉弾戦アクションは前作からパワーアップしていてそこの部分を期待していた自分としては満足満足。ちゃんとアクションシーンとして盛り上がるような振り付けやカメラワークも良かったです。
ユーモアの部分も、なんか可愛らしいというかトム・クルーズ自身が自分の魅力をよくわかっているんだなぁという印象です。

ただし!今作には致命的な欠点があります!

個人的に主人公がラストで自分のアイデンティティを確立する映画が大大大好きなんですよ。
例えば、盾もコスチュームもアベンジャーズという帰る場所すら失ってもキャプテンアメリカというアイデンティティが明示されるからこそ感動的なラストになっているキャプテンアメリカ・シビルウォー。
あるいは、アストンマーチンや幼少期を過ごした邸宅、そして長年慕ってきた上司Mを失ってもジェームズ・ボンドというアイデンティティを示した007・スカイフォール。

今作もラストにかけてそんなエンディングを予感させる展開が多いんですよ。
ある人物と過ごす中で"あ、絆っていいかもな"と思い始めたリーチャー。しかしその掴みかけた繋がりも本物ではなかったとわかり、別れを告げることで俺は"ジャック・リーチャー=一匹狼のアウトロー"と締めてくれれば最高だったのに!
あの携帯電話と最後のメール。あれはいらない!もったいない!
俺の住む世界にはもう関わらないでくれ、と言い残していつもの放浪の旅に出てエンディングへ…というのがベタだけどジャック・リーチャーの映画として一番気持ちよくてかっこいいと思うんですけどねぇ。
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