てるる

ハードコアのてるるのレビュー・感想・評価

ハードコア(2015年製作の映画)
3.8
究極のPOVにして究極のバイオレンス映画。

全編一人称で進んでいくのでFPSゲームをやったことある人なら入り込みやすい。
やったことが無くても、ディズニーとかにある映像一体型アトラクションに激しいアクションとバイオレンスを加えて、90分くらいそれが続く感じといえば分かるかな。
オープニングからしてこれからヘンリーがやるであろう人体を殴る、撃つ、刺す、切り裂くをドアップ&スローモーションで見せる。
特に弾丸が肌を突き破るとこなんかヤバイ。

そして本編が始まって主人公ヘンリーが目覚めてからはほぼノンストップアクション。
アクションは臨場感ありすぎ、画面も情報量多過ぎて、もう脳がついていけない。
時々何をやってるのか、何が起こってるのか分からないシーンも多々あり。

だからストーリーは至ってシンプル。変態サイキック野郎に攫われた奥さんを取り戻すため、そして謎のお助けマン・ジミーに導かれるままにひたすら走る・登る・落ちる!
「どこそこに行け」「あいつを倒してこい」と次々にミッションが与えられていくので、まさに大画面でゲームをしているような感覚に陥る。

そして常に一人称で敵を殺しまくるということは、間近で人を殺傷していくのを観ることになるのでなかなかグロい。
ラスボスの倒し方とか、グロすぎて逆に笑える。あんな斬新な殺し方初めて観たわ!

という訳で、全くもって万人にオススメは出来ない映画。特に普通のPOV作品で酔っちゃう人は絶対観れないと思う。
近くにいた老夫婦とか大丈夫かなって心配になったくらい。

それでも革新的な映像スタイルは必見だし、映画好きなら分かるオマージュや笑えるようや小ネタがちょこちょこあって面白い。
「荒野の七人」のテーマソングや「ダース・ベイダー」のくだりなんか監督が好きなんだろうなーてのが分かって微笑ましい。

主人公を導く謎の男には「第9地区」や「エリジウム」でお馴染みのシャールト・コプリー。
彼の七変化が堪能出来るし、ホントに器用な役者だと改めて思い知らされる。
主人公の妻には「マグニフィセント・セブン」でプチブレイク中のヘイリー・ベネット。
父親役にはティム・ロス。ホントにチョイ役だけど重要な役どころ。

しかしこれはやっぱり4DXで観たかったなー。むしろ現時点では、この映画ほど4DX向きの作品は無いと断言出来る。
てるる

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