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バジュランギおじさんと、小さな迷子のkatoharuのレビュー・感想・評価

4.2
まだあまり首都圏に上映館がないからか満席。もっと上映できるといいなと思った新年早々3発目にして幸先の良い映画。

バジュランギのキャラクター性が顔以上に濃すぎて夢に出てきそう。感情的だけど言ったことはやる、時間がかかり過ぎてもやる、呆れるほど馬鹿正直で誰もが憎めない人。1人のごく平凡な人の想いが人々の心を動かして、測りきれないほどの憎しみによって溝が深くなった国と国を一瞬でも繋げることができたのだ。
女の子シャヒーダの愛くるしさと、マッチョのバジュランギの底なしの明るさ。前半は2人がインドの街を案内してくれるように回り、色で溢れたインドに行ってみたくなる。
途中で相棒を得て3人になってからの後半も面白かった。早とちりなエセジャーナリストかと思いきや、自分の眼で物事を判断し使命感のある、シャヒーダにとっては良いおじさん2のナワーブもこれまた憎めないキャラクター(笑)
インド映画はスローモーションとダンスシーンが必ずあるから長尺になるのだろうが、いつしか3人と一緒に旅をしている気持ちになって、時間も忘れてほろり…。ロードムービーは出会いと刺激と発見の連続で本当にドキドキする。

「ライオン」も然り、インドやパキスタンって、こんな感じで国境を越える列車ではぐれたりする迷子が沢山いるんだろうな。寺と神社の区別がつかない人もいるような我々日本人には到底理解できないのだろうけど、きっとこの映画は本国では宗教の垣根も超えた凄い映画なのだろうなと思う。
「子どもには憎しみではなく愛を教えましょう。」名言が生まれました!
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