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胸騒ぎのシチリアのRのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎのシチリア(2015年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2016年のイタリア/フランスの作品。

監督は「ボーンズ アンド オール」のルカ・グァダニーノ。

あらすじ

世界的なロックアーティストのマリアン(ティルダ・スウィントン「アラビアンナイト 三千年の願い」)は痛めた声帯と心を癒すため、年下の恋人ポール(マティアス・スーナルツ「アムステルダム」)と共にシチリアのパンテッレリーア島で優雅な時間を過ごしていた。そんな中、マリアンの元カレで音楽プロデューサーのハリー(レイフ・ファインズ「ザ ・メニュー」)とその娘のペン(ダコタ・ジョンソン「説得」)が押しかけてきたことでシチリアでの「胸騒ぎ」のバカンスが始まる。

たまにはバカンスムービー観たいなぁ…(休みてー)と思い、U-NEXTで配信終了が迫った本作をチョイス。

タイトルがなんか良い、「胸騒ぎのシチリア」。

ということで、監督も「ボーンズ〜」や「サスペンス」リメイク版のルカ・グァダニーノだし、どんな「胸騒ぎ」を起こしてくれるんだ!と期待して観たんだけど…。

いやぁ、全然わかんなかった。胸騒ぎどころか波風すら立たなかったわ。

とは言いつつも冒頭から今作ものすごい。

まず、のっけから主演のティルダ・スウィントンと恋人のポール役のスーナルツ(どっかで見たことあると思ったら「オールドガード」の人か)による濃厚なSEXシーンが入るんだけど、その前の場面での寝そべりティルダが目の覚めるようなフルヌードで、あわや大事な部分までもご開帳。

しかも、このティルダ演じるマリアン、職業がなんと世界的なロックアーティストなんだけど、ぴちぴちなタイツと目元を覆うようなラメメイクが完全にデヴィッド・ボウイでめちゃくちゃカッコいい!

元々その浮世離れした、人間離れした美貌から様々なエキセントリックな役柄を演じてきたティルダ・スウィントンなんだけど、この配役はピッタリで、これだけでもある意味観る価値はあるのかも。そういう意味ではさすがグァダニーノの慧眼、役者を見る目がある。

あと、冒頭の激しい濡れ場に言及したけど、今作のキャラクターたちはシチリアの青い空と海のどこまでも広がる絶景がそうさせるのか男も女もとにかく脱ぎまくる!!マジでどんだけマッパでボカシ入ってんだってくらい。

で、そのマッパ率のトップを張るのが「ハリポタ」のヴォルデモートでお馴染み名優レイフ・ファインズ。で、今作で演じるハリーはとにかく常にギラギラと溌溂したエネルギーの塊でやや後退した髪型で髭も充分に蓄えたオッサンがまるでルパンの如く、プールを前にすると瞬時にマッパで「ヒャッホーウ!」と飛び込む様に俺はなにを見せられてるんだとなった笑。

あとは、まだ若かりしダコタ・ジョンソンも水着や薄手のTシャツから常に胸ポチがあってヒヤヒヤするんだけど、終盤ではティルダと負けず劣らずの大胆なフルヌードを披露してくれる、ありがたい!!

そんな感じで、とにかくキャラクターが奔放なわけなんだけど、お話的にはマリアンとポールの熱々バカンスに実はマリアンとの復縁を狙うハリーとポールに興味を抱くペンが割って入るわけなんだけど、なんかハリーとペン自体も年の離れた親子として見ても明らかに距離感が近くて危うい感じもあって、なんか完全に四角関係なのが興味深い。

じゃあ、それがスリリングにお話に展開していくかと思えば全然そうならなくて、どこまでもなんか地味ーにギスギスしていくようにしかならないのがひたすら退屈。

ようやっと終盤にある事件が起きるんだけど、まぁそれまでの鬱憤を晴らすという意味で起こってしまった悲劇と考えると映画的ではあるんだけど、明らかに事態としてリアルに考えたら痴話喧嘩にしてはやり過ぎというか、そうならんだろと。

あと、ラストじゃあどう終わらせるのかと思ったらなんだその終わり方は!締まらねー笑。

あと、ショットもなんか特殊で急に画面が変な場面でズームになったり、変な画角から撮ったり、写真的に連続することショットを入れ込んだりとどこか実験的で、それを本作でやる必要あったんかな?

という感じで観る分にはひたすら退屈でこういうのを見慣れていない俺からすると苦痛ではあったんだけど、ロックアーティストのティルダ・スウィントンを観るという意味では一見の価値あり。つか、このロックアーティストの映画が観たいよ。
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