Narmy

コインロッカーの女のNarmyのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
3.8
コインロッカーから路上生活者に拾われ、闇金に売られたイリョン。
成長し、擬似家族のような生活を送りながら、その母さんと同じやり手の取り立て屋に成長するが、、

パクソッキョン役のボゴミ見たさにチャレンジしてみたんだけど、バイオレンスよりも人間の深いところを炙り出すようなストーリーに惹かれた🎶¨̮
パクソッキョンはボゴミ本人に近い純粋で真っ直ぐな青年。
イリョンが生きる暗い怖い凄みのある世界と真逆の眩しいほどの明るい世界に生きるパクソッキョン。
ボゴミの良い人オーラが1人だけ別世界に生きる雰囲気をめちゃくちゃ出していて、よりイリョンの世界の凄惨さが引き立つ。

この手の作品の中ではめずらしく、意外なオチというよりは、伏線のお陰でなんとなく結末の予想はつく、かなりスッキリなラストではある。

結局この擬似家族、普通の子育てと同じ。
子は大人になるにつれ自分の考えが育ち、親の考えに疑問を持つ。
そんな子供の成長にある時、親はもう抑えつけることができなくなったことに気付く。
子離れ親離れの瞬間。
そんなよくある家族関係が今作での闇金家族の中でも起こる。
子の愛は純粋に追い慕う、親の愛は沈み込むように深い。
親は子供に自分の考え全てをさらけ出したりは決してしない。

全体としては説明はなくとも一人一人丁寧にえがかれるキャラクターと演技力で、心の揺れ動き始めた家族の生き方がしっかりとみえてくる。
溜めなく容赦ない感じは流石韓国!
心を映さない無表情に、カメラなどの道具や何気ない言葉の演出が心を映しだすところが上手くて、本当に切ない。
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