爆裂BOX

トマホーク ガンマンvs食人族の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.7
西部開拓時代、アメリカのとある田舎町で流れ者の野盗が捕えられるが、その夜何者かによって保安官助手や治療に来ていた女医が野党と共に攫われ、保安官と彼女の夫を含む4人の男が捜索に出るが…というストーリー。
西部開拓時代を舞台に荒野の洞窟に潜む凶暴な食人族と男たちの戦いを描いた西部劇ホラーです。監督はリブート版「パペット・マスター」の脚本などを手掛けたS・クレイグ・ザラーです。
物語は妻を攫われたアーサーと保安官ら4人が凶暴な食人族である穴居人の原住民のアジトを探して救出に向かうという物ですが、これを2時間越えの長尺を使って描いています。
前半一時間30分近くは事が起こるまでの主人公達の町での様子や追跡を行う様子を描いていて食人族は全く出てきません。ここで結構退屈する人いると思いますが、捜索の旅の中で男たちが次第に信頼を深めていく様子を丁寧に描いているので不思議と退屈しませんでしたね。リーダー格の保安官や足にけがを負っている状態で妻の捜索に参加するアーサー、原住民を殺すことに執念を燃やすブローダー、ムードメーカーの保安官代理チコリー等其々キャラが立っていて人物描写も丁寧にされているので彼らの旅路を見るのは楽しかったですね。特にチコリーがイイキャラ過ぎました。この人のおかげで退屈せずに見れた感じはあります。ドイツ製の望遠鏡を最初は貸さなかったブローダーが後半貸す所もしっかり信頼芽生えてるんだなと感じさせて良かったです。その後の何か発見したかと思ったら単純に望遠鏡の性能に驚いてるチコリーも良かったです。一刻も早く妻を救出したいのに足を怪我してるため後れを取るアーサーの焦燥も見応えありました。
後半食人族が登場してからはそれまでが嘘のようにハードなスプラッターが展開されます。頭皮はがして股間から石斧で真っ二つにしたり腹に切れ込みいれてウイスキーのスキットル差し込むなど痛々しいゴア描写が連発します。殺される犠牲者が殺される事覚悟して「形見を兄弟に」というセリフなども悲惨さを強調させますね。
脚を怪我して出遅れてたアーサーが結果的に救世主になる展開も面白いです。
カート・ラッセル、パトリック・ウィルソン、マシュー・フォックス等出演者も豪華ですね。カート・ラッセルは渋カッコよかった。最初にチョイ役でシド・ヘイグも出演しています。
エンドロールで流れる曲もなんかよかったです。
ロードムービーの趣が強い異色の西部劇ホラーですね。