emily

シティ・オブ・ゴッドのemilyのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
3.9

舞台は60年代から80年代のリオのファベーラ(貧民窟)でもっとも治安の悪い、シティ・オブ・ゴット....
時代は流れ、世代交代していく...そんな中で、本作のナレーション役を務めるのが、ブスカペ(アレシャンドレ・ロドリゲス)...。
その兄を含む三人組みが活躍していた頃は、犯罪を犯していても言わば子供のお遊び適度だった。
しかし、10年後には、ちょろちょろと三人の周りをついてきていたあのリトル・ダイス(レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ)が、リトル・ゼと改名し、あの三人よりも最強で、もっと大きいチームを組織するボスとなっていて、組織同士の戦いからの悲劇の展開を見せる


社会的な問題をすべて詰め込んでいる...殺人、麻薬、レイプ、暴力....
それでも本作は湿っぽい作品にはなっておらず、スピード感溢れる映像の中で繰り広げる、生きる鼓動のようなリズム感が感じられる。
それを煽るように流れる、ブラジル音楽.....荒々しいカメラワーク....すべてが、ブラジル特有の陽気さにのっとったエンターティメント性の高い作品となっている。

生きるためには、モラルを捨てる事から始めなくてはならない、そんな悲しい現実を、映画として見せる事と、楽しませる事を前提に練りこんで作られた本作には、その事の重みを感じさせないかもしれないが、繰り広げられる独特のリズム感は、体に入って離れない。
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