年端もいかない子供たちが銃を持ち、金を奪い人を殺す…そんなことが日常茶飯事に行われているというブラジルのスラム街を描いた作品。これが事実に基づいているというのだからぶったまげる!
“事実に基づいている”といっても真面目なドキュメンタリータッチの映画ではなく、主人公のナレーションとともに時間軸を巻き戻してみたり鶏を追っかけまわすだけのシーンをやたらとスタイリッシュに描いてみたり、登場人物たちの友情だとか恋愛だとかを甘酸っぱ~く描写したりと、映画的な面白さが満載なのが素晴らしい。
暴力に支配された世界で、決して暴力に染まることなく自らの好きなことであるカメラという趣味だけを突き通した主人公のブスカペと、反対に暴力・金・麻薬にどっぷり浸かり、それを利用して成り上がってきたリトル・ゼという二人の男青年が、それぞれどんな顛末を迎えたか…というのも面白い。単純だけど、努力した人間は必ず報われるべきだし、暴力に訴えた人間は必ずしっぺ返しを食らうべきなのだ。
(余談だけど、いつぞやのFilmarks長期メンテナンスの時に直前に観ていて感想を書きかけていたのがこの映画で、投稿せずにほっといたらそのままメンテナンスに入ってしまい文章がおじゃんになって非常に萎えた思い出が…。ようやく書き直せて良かった~。)
(2014.122)