Yuuki

ゲヘナのYuukiのレビュー・感想・評価

ゲヘナ(2016年製作の映画)
4.0
サイパンに降り立ったポリーナは新たなリゾート地開発を行うために同僚数人と現場を視察していた。開発予定地の奥に旧日本軍が暮らした塹壕があることに気付いたポリーナ達はここも調べておかなければと入り込むが、次々を怪奇現象が巻き起こり恐怖のドン底に!一行は生きてここから出ることができるのか?助けて〜!な話

ハリウッドの特殊造形クリエーターの片桐裕司さんが初監督をしたホラー映画で、クラウドファンディングのサイト「キックスターター」で資金を募って数年の構想を経て作り上げた意欲作。こちら、2016年の東京コミコンで初日の最後を飾るプレミア試写会というミラクルパワーで見ることが出来ました。以降も何度か期間限定で上映会が行われたものの残念ながら現時点でソフト化、配信の目処は経ってないのですが、なかなかどうして面白いんですよ!

いわくつきの塹壕に入り込むという時点でヤバさは確定で、そこで案の定巻き起こる恐怖演出はジャパンホラーとハリウッドホラーのおいしいところを上手くミックスして飽きさせずに怖がらせてくれて実にお見事!終盤に明かされる塹壕の真相は若干「もしやこうじゃね?」と予想はできてしまいましたが、だからと言ってそれで興ざめになることはありません。ここ重要ですね。非常に巧妙に張られた伏線をガガッと回収していき、スカッと気持ちよい鑑賞後感がありました。スタッフロールで「監督はクリエイティブ面で手塚治虫に非常な影響を受けた」的なことが書いてあったのも、なるほどという感じです

旧日本軍の塹壕内の雰囲気やアイテムなどの造形はとても細かく作られていてそれっぽさがあり、ここは監督のノウハウが詰まってるなと思いつつ、塹壕内に出てくる「何か」も実にきもくて良いです。その上登場人物の愛憎や過去も少しずつ深掘りされて共感も湧いてくる、バランス感覚に優れた良作でした!オススメ…ですが現時点で見る手段はないので、手軽に見れるようになると良いですね〜

【12/22追記】
「未体験ゾーンの映画たち2019」で公開されますね!やった〜!
Yuuki

Yuuki