Enu

リップヴァンウィンクルの花嫁のEnuのレビュー・感想・評価

4.3
変。壮大な可笑しすぎる物語。の中に、愛がある。つまりは、愛に溢れた愛の物語。
岩井俊二監督の作品を鑑賞すると、どうしても監督への気持ちが溢れ出す。
温もりある映像が紡ぎ出す愛あるストーリーに心が震えるのは、きっと作品に奥行きを出す監督の画のセンスが秀逸だから。
綾野剛くんが謎のまま終わってしまうあたりが監督らしくて、黒木華ちゃんの魅力を最大限に引き出す脇の方々の仕事ぶりも魅力。
3時間近くある長い作品に全然飽きないのは監督の力量としか思えない。
生活拠点が度々変わるのも飽きない理由の一つ。
あの映像の中で拠点が変わるなんて、楽しみでしかない。
花とアリス然り、ファンタジーかと思うくらい絵本の中みたいなシーンが挟まってるのも飽きない理由かな。もっと長くても良かったなぁ。
花とアリスではバレエ、本作ではウエディングドレスなど、女性の魅力を引き出し、繊細に描く監督の手法にもうお手上げ。大絶賛しちゃう。
幸せはお金じゃ買えなくて、子を想わない親は居ない。そんな空気をやんわりと醸し出すけど、あとはご自由に。ご想像にお任せします。そう言われているような岩井俊二ワールドが炸裂しています。
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