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花とアリスのEnuのレビュー・感想・評価

花とアリス(2004年製作の映画)
4.2
岩井俊二監督の作品を例えるならば、噛めば噛むほど味のするガム。
観れば観るほどに深みが増し、大切になっていく作品たち。
胸が騒ついたり、温かくなったり、嬉しい感情の忙しさを与えてくれます。
それからやっぱり、写真を繋げて見てるような映像の美しさが好き。
そんな岩井監督の作品にぴったりな蒼井優ちゃん。
本作では、本当に魅力的な女の子を見事に演じられていて、特にオーディションのシーンでは初々しさが伝わる、それすらもお芝居なのに、それを感じさせない本当の初心さを表現できる彼女の魅力に陶酔しました。
そして鈴木杏ちゃんも、ちょっと嫌だけど分かるよって言ってあげたくなる女の子を堂々と見せてくれて気持ち良かった。
ストーリーは、とっても可笑しい恋愛映画だと思うんだけど、あり得なくはないお話。
そんな物語を、バレエや友情、写真を織り交ぜながら大切に届けてくれる岩井監督の作品に愛しさを感じます。
何気ない日常を切り取って形にするのが本当に上手というのはおこがましいけれど、そんな監督さんだと思います。
結局、何が言いたいかというと、岩井俊二監督の作品が好きだということです。
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