1994年に放送されたドラマ「家なき子」の中でまだ子役だった安達祐実の言った「同情するなら金をくれ!」というセリフを思い出した。
父親を知らず、母親には捨てられストリートチルドレンとなってマニラのスラム街に暮らす少女ブランカ。
物乞い、スリ、引ったくり、車上荒らし、生きるためには何でもするストリートチルドレンの実状に胸が痛む。
仲良さげに歩く親子連れを羨ましそうに眺めたり、母親を買おうと母親募集の張り紙を町中に貼るブランカが不憫でならない。
盲目のギター弾きの老人ピーター、ストリートチルドレンの少年たち、ニューハーフのお姉さん?たちなど凄くリアルだと思ったら、主役のブランカ以外は実際に路上で見つけてきたということに驚いた。
リアルな生活だからなのか演技がとても自然。
ブランカ役のサイデル・ガブデロちゃんも演技初体験とは思えぬ自然で堂々とした演技だった。長谷井宏紀監督がブランカ役はこの子しかいないと惚れ込んだというのもわかるなぁ〜
フィリピンで実際にストリートチルドレンと交流した経験から産まれたというカメラマン出身の長谷井宏紀長編映画監督デビュー作品、77分と短い作品ながら心に響く良い映画だった。