ブランカ、何て可愛い名前
アニタ、カテリーナ、レベッカ
、アルマ、アマンダ・・・
ラテン語圏由来の母音アで終わる女性名は響きが良い。
この作品の主人公はブランカ。フィリピン、スラム街のストリートチルドレン。
決して品行方正な生き方ではないけれど、知らず知らずブランカを応援している私がいた。
なぜならば、このような場所で生きている子供達に向かって、正義を振りかざすことはとてもできないから。
正義って?法律って?
それらがこの子達を助けることができるのか?
しかし、ブランカは愛らしい。
多分心のどこかの引出しに、純な気持ちを持っているのだろう。
盲目のギター弾き、ピ-タ-との友情にホッとする。
見えないものにこそ価値があることを知っているピ-タ-。
「どうして金持ちと貧乏人がいるの?」とスラムの男の子。
難しいね。なぜだろう?
監督の長谷井 宏紀さんはフィリピン、スラムでの経験から、そこで生きる子供達にもプライドというものがあることを知ったそう。
そう、プライドをなくしたら人は人ではない。
この作品は観客を泣かせもせず、怒らせもせず、ただ淡々と話が進んでいく。
そのことがとても良かった。