カレン

オッペンハイマーのカレンのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
クリストファー・ノーラン、初の実在の人物を堀り下げた作品です。
いわば「原爆の父」といわれたオッペンハイマーの人物史ともいえます。
史上最強の武器である原爆を発明した男の悩める姿、
そしてその栄光と挫折を描いた物語。

難解だとの触れ込みだったので、ある程度の予習をして臨みました。
といっても、登場人物の名前と、当時の世界情勢をざっくり頭に入れただけでしたが、それだけでも迷子にならなくてすみました。
史実ということもあり、今までのエンタメ·ノーラン作品の、時間軸をこねくり回したものよりは理解し易かったです。

時系列はやはりノーラン先生らしくあちこち飛びますが、そこも大丈夫、ヒントは散りばめてあります。
そこが意地悪なノーラン先生を嫌いになれない理由なんです。

✭✭✮✭✭✭✭✭✭✭✭✭

科学者とは、たとえそれが地球を滅ぼすものだとしても、全身全霊を傾けて作ってしまうもの。
しかしその作ったものが一旦自分の手を離れたら、もはやそれがどう使われようが止めるすべはない。

当たり前だが科学者の目には、原爆が投下されたあとの惨劇が手にとるように見えてしまう。
しかし一般の人々にはそれが見えない。
戦争終結を無邪気に喜ぶだけ。

「私は世界の破壊者だ」
そう、一旦核を使ってしまえばもう核競争に歯止めはきかなくなる。

毒を持ったサソリの喧嘩は
例え勝っても、自分も無事ではいられない🦂

✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭

ニューメキシコの何もない荒野に町を作り、科学者を集め核開発を2年で達成したアメリカ。

その間日本は「一億総玉砕」などと無邪気なことを言っている間に、20万人以上もの死者を出してしまった···

※これはIMAXで観たかったが、近場 
 の劇場だったのでちょつぴり残 
 念でした。
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