クリストファー・ノーラン、初の実在の人物を堀り下げた作品です。
いわば「原爆の父」といわれたオッペンハイマーの人物史ともいえます。
史上最強の武器である原爆を発明した男の悩める姿、
そしてその栄光と挫折を描いた物語。
難解だとの触れ込みだったので、ある程度の予習をして臨みました。
といっても、登場人物の名前と、当時の世界情勢をざっくり頭に入れただけでしたが、それだけでも迷子にならなくてすみました。
史実ということもあり、今までのエンタメ·ノーラン作品の、時間軸をこねくり回したものよりは理解し易かったです。
時系列はやはりノーラン先生らしくあちこち飛びますが、そこも大丈夫、ヒントは散りばめてあります。
そこが意地悪なノーラン先生を嫌いになれない理由なんです。
✭✭✮✭✭✭✭✭✭✭✭✭
科学者とは、たとえそれが地球を滅ぼすものだとしても、全身全霊を傾けて作ってしまうもの。
しかしその作ったものが一旦自分の手を離れたら、もはやそれがどう使われようが止めるすべはない。
当たり前だが科学者の目には、原爆が投下されたあとの惨劇が手にとるように見えてしまう。
しかし一般の人々にはそれが見えない。
戦争終結を無邪気に喜ぶだけ。
「私は世界の破壊者だ」
そう、一旦核を使ってしまえばもう核競争に歯止めはきかなくなる。
毒を持ったサソリの喧嘩は
例え勝っても、自分も無事ではいられない🦂
✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭✭
ニューメキシコの何もない荒野に町を作り、科学者を集め核開発を2年で達成したアメリカ。
その間日本は「一億総玉砕」などと無邪気なことを言っている間に、20万人以上もの死者を出してしまった···
※これはIMAXで観たかったが、近場
の劇場だったのでちょつぴり残
念でした。