とり

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのとりのレビュー・感想・評価

5.0
今作も猛烈に見応えがあって面白かったです。
毎回これ以上のものは作れないだろうと思うのに、軽く超えてくる凄さ。
娯楽映画の楽しさってこうだよね!とあらためて思い出させてくれるトム・クルーズ。

今回特に脚本がよかったと思います。
騙し騙されのスパイの情報戦、古典的な面白さの爆弾スイッチの仕掛け、そしてシリーズ通して観てきたファンがせつなさでいっぱいになるロマンスエピソード。
仕事の鬼トムとイーサンが妙に重なるんですよね。
ここで何人かの人物が一区切りつき、シリーズのマンネリ化を防いでいます。

アクションはもうヤバいを通り越して笑えるレベルでアタマおかしい。違う意味でハラハラドキドキ。
生身で車と衝突や演技しながらスカイダイビングがもはや当たり前みたいになってて恐ろしい。ヘリの中でシェイクされるシーン、あれどうなってんの。普通の人は全身複雑骨折まったなしだと思いますが⋯。
スタントマンにまかせて合成映像でまったく見分けがつかない技術があるのに全部自分でやる。スタントに任せても誰も文句言わないですよ。
でも本人がやってるという特殊な状況だからこそ生まれる迫力があるのは観ればわかりますね。
トム!トム?⋯トムぅ~!!トムッ!!アクションシーンの間ずっとこんな気持ちで観てしまう。この瞬間頭の中でストーリーはどっかいってしまってるし。
トム映画を観てしまうと、他の映画のアクションが物足りなく感じてしまうことがあります。密度の違い。

制作スタッフも超一流だと画面の隅々から伝わってきます。
世界をまたにかける壮大な設定。ロケ地選びがもうセンスのかたまり。ノルウェーの崖もよかったですが、パリ市街地ロケというかバイク爆走の数々が素晴らしすぎました。
ロンドンではトムが走るシーンもたっぷりあって、素敵なノンストップパリ・ロンドントリップwithトム。
カメラワークが計算されつくしていて、トムと背景の構図がいちいち絵になる。
シーンにあったピント合わせが抜群です。観客の視線を誘導する巧みさ。
日本でもこんな素敵なロケやって欲しいですね。
とり

とり