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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁のこどものレビュー・感想・評価

4.5
BBCの『SHERLOCK』は数あるドラマの中で一番のお気に入りです。「シャーロック・ホームズ」を謳うドラマシリーズの中でではなく、この世にある全てのドラマの中で、です。ベネディクト・カンバーバッチの演じるシャーロックホームズは私の知る限り最も魅力的で、知的で、セクシーなキャラクターなのです。

本作はそんな最高のドラマ『SHERLOCK』の映画版です。
正直な感想としては、この内容を映画版でやる必要があったのかな、ということです。
というより、ドラマシリーズを見ていない人があまりに可哀想だなと思ってしまいました。
というのも、本作はドラマシリーズとは関係の無い、19世紀で活躍するシャーロックとジョンを描きながら、大筋ではseason3episode3「His Last Vow」との繋がりがあり、(彼の意識の中で)現代と過去を行ったり来たりする内容になっているのです。
したがってドラマシリーズ未視聴の方には物語を追うのが非常に困難だと思われます。
このようなことを踏まえて、これもドラマでやればよかったのになぁ、という感想になったわけです。

そして、この過去と現在を行ったり来たりする演出、私はあまり好きではありませんでした。鋭い推理と観察眼で暗雲を切り裂いていくような爽快感、暗かった空が晴れるように、全ての謎が解明したときの胸がスカッとする展開が『SHERLOCK』の大きな魅力でした。しかし、本作の過去と現在の行き来という演出によって、「明瞭さ」という部分においてドラマシリーズが築いてきた魅力を欠いてしまったのではないかと思われてなりません。
しかし、この点を差し置いても、全体的な内容は「やっぱりとても面白い」という評価にはなると思います。
ヴィジュアル的にも、いつもと違う皆の姿が新鮮で楽しいです。シャーロックには不評だったけれど、ヒゲを生やしたジョンが好評だったのでしょうか。復活です。
もし本作の鑑賞を検討している方は、先ずドラマシリーズからの鑑賞を強くオススメ致します。絶対に後悔はしないと思います。
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