Kuri

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントのKuriのレビュー・感想・評価

4.1
評判いまいちに迷っていましたが、ずばりディズニーとスピルバーグ監督の組合で期待してるものを余すことなく見せてくれました。
技術的にすごいことをしてることは理解できるけど退屈すぎて寝てしまった"タンタン"みたいな作品かと思ってましたが、これは全然違います。
子供向けの外面ですが、こんなおっさんでも全編画面に釘付けでした。

夜のロンドンを疾走する巨人とか、光を放つ'"夢"をコレクションしている古びた巨人の部屋とか、少女の視点から見た巨人たちの格闘シーンとか、最新技術を生かして新しい見たことないような場面を作っていることにまず惹きつけられますが、
話の根底に差別されてきた被害者の視点があることがわかってからは一つ一つのシーンにさらにグッときます。

ジブリらしいフェチシズムにくすぐられるのはもちろん、途中からこれは映画についての話であり、監督自身を投影した話なんじゃないかと思わずにはいられなくなりました。
暗い夜に観る光を集めて"夢"を作るなんて、まるで映画みたいじゃないか。

物語の最後は夢で、しかも現実になった夢で。現実のままだったらたどり着くことはなかったファンタジーならではのハッピーエンドを見つめる笑顔の巨人に、哀しさを感じてしまいました。

これは、好きな映画です。
#filmarks2016
Kuri

Kuri