チョマサ

レッドタートル ある島の物語のチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アート系のアニメで、具体的に言うと、登場人物が掛け声など以外は、言葉や会話などの台詞を一切話さない作りになっている。
ズームやアップも少なく固定のカメラで人物の動きを捉えるように、遠くからの引いた画面が多い。動いても追いかけるようにパンをするくらい。シネコンで掛けるタイプの映画じゃないよなと思った。

タンタンの冒険みたいな背景と、どんなものもよく動くアニメーションは必見。亀が砂浜から出てきて海に泳いでいくシーンや小さい波から大きい津波まで、どれも動きが細かくてすごい。ヌルヌル動きます。

撮りかたもセリフはないので、観客が飽きないように音楽の使い方をはじめ細かく気を使っています。潜っていて狭い岩の間を潜り抜けるところのスリルが印象に残っている。
物語も漂流した無人島から脱出する話と思ったら、亀が女性に変わったりと大胆な転換があった。描写からして桟橋を浮いて渡る夢や、亀が昇天する場面など、こういうのがマジックリアリズムってやつかと思った。
追記
無人島で暮らした男の一生なのだけど、島の生態系や島がどうなっているかを的確に描写していて、お話とは違うところで情報量が多い。

お話のおもしろさは薄いけど、映像や見せ方は目を離さないようにできていて見応えがあります。ほんと眠ったりはせずずっと釘づけでした。ソフトで観るときつい気がする。
チョマサ

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