えーこ

レッドタートル ある島の物語のえーこのレビュー・感想・評価

3.9
冒頭、荒れ狂う波にのまれ、島に放り出される男。
鬱蒼とした茂み、密生した竹ヤブ、
木漏れ日や煌めく水面、光と影が美しく、
繊細に描き込まれた絵に驚く。
言葉はなく、絵本みたい。
遠くからそっと見守るような画が優しい。

夕暮れて、日が暮れて、
月が輝く夜の闇は水墨画のようで、
男の見る夢は奇妙で不思議だ。

ぱっと現れるレッドタートル、
ハッとするほど、青い海に赤い甲羅が映える。
間間に現れるカニは場を和ませる道化役!?
この映画には多くの生き物が出てくるが、
その生態系、自然の摂理を描いている。

ある島に生まれたアダムとイブ、
これは創世記の物語!?
「砂の女」を彷彿させるカメのあざとさが気になるけど、、
男と女が出会って、恋をして、子供が生まれ…、
普遍的な人間の営みに人間の真理や生命力を感じさせる。
えーこ

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